クセのないナチュラルな音に惚れました。つないだだけで、すぐに鳴らせる手軽さも大きな魅力。

音楽ライブ

クセのないナチュラルな音に惚れました。つないだだけで、すぐに鳴らせる手軽さも大きな魅力。

音楽ライブを専門に手がけるPAエンジニアのHさん(福井県)。大手3メーカーの機材を長年使い込んできましたが、マール・サウンドシステムズのスピーカーを評価する理由は「音が自然であること」でした。20年以上前にマールの製品を知り、最初期の製品から実際の現場で鳴らしてきた立場から、率直に語っていただきました。

導入者プロフィール

氏名: Hさん(希望により匿名)

ポジション: 代表を務める会社の一部門でPA業務を手掛けていて、音楽ライブ・イベントの音響を担当するエンジニアでもある。

機材歴: JBL、エレクトロボイス、ヤマハなど、大手メーカーの機材を、価格帯を問わず長年運用。マール製品は初期の段階から実際の現場で使用してきた。

運用しているマール製品の一部

屋外イベントにて。ステージ脇のスタック「38F」(現在は特注品)+「MJB115」、足元に「20S-CX」

不自然に「派手」じゃない。使える音だと思った。

うちはJBLもエレクトロボイスもヤマハも、5万円クラスから20万円クラスまで一通り使ってきました。用途は音楽ライブ専門です。

長く使ってきて感じていたのは、大手メーカーの音は「目立つように」作られているということです。歪み由来の派手さというか、初めて聴いたときのインパクトを狙った音作り。それはそれで売るための合理性があるのだと思いますが、現場で原音に忠実な音を出したい人間からすると、どこか作為的な不自然さもある音に感じてしまいます。

マールのスピーカーを知ったきっかけは20年以上前、福井県内のイベントで、他社のエンジニアが鳴らしているのを聴きました。最初の印象は「自然な音だな」というもので、その次が「これ使えるな」でした。いわゆる「普通」の音であり、生っぽい音。それが現場ではいちばん難しくて、いちばん価値があると思っています。

歪みが少なくて、楽器の音の分離が良くて、大きく鳴らしてもうるさくない。出音に変なピークがない。つまりクセの少ない音ということです。クセがないから、エンジニアが自分の狙った音に調整しやすい。音質だけで言えば、欧州の一流メーカーに匹敵すると思っています。それでいて価格は競合の6〜7割程度。個人的には、安すぎるとすら思います。

実際にマール製品を使ってみて。

20WS ―― つないだだけで使えるウェッジモニター

普通のウェッジモニターは、ハウリングを抑えるためにEQで丁寧に削る調整が前提です。ところが「20WS」は、EQフラットのままでもハウリングせず、ボーカルがはっきり聴こえます。これは常識では考えられません。大きさもコンパクトでステージの見た目を騒がしくしないという点も、現場では地味に効きます。

かつて、私の目の前で関西のとあるPA会社のチーフがこの音を聴いたとき、その場で4台を即注文したのを見ています。

和室での演奏現場。足元に「20WS」「20S-CX」

MJ10+MJB118 ―― 専用アンプ不要のラインアレイ

世界の超一流の超高額のスピーカーには一歩譲るとして、いわゆる一流ブランドとは並ぶ音の実力があります。地方のPA業では最大規模となる屋外3,000人規模のイベントなら、このシステムで十分に音を届けられます。

大きな利点は、専用アンプや専用プロセッサーを強制されないことです。大手のラインアレイはメーカー指定のシステムでないと本来の性能が出ませんが、「MJ10」は手持ちのアンプでそのまま鳴らせる。これはラインアレイとしてはかなり珍しい強みで、機材繰りの自由度がまったく違います。価格も、一般のPA業者の手の届く水準に収まっています。

MJF12 ―― いちばん聴き比べてほしい定番サイズ

12インチのフルレンジは、コンサートでもイベントでもいちばん使用頻度の高い定番カテゴリで、PAであれば誰もがすでに何かしら持っています。だから普通は買い替えの動機が生まれにくい。でもマールの「MJF12」は、音の分離が良く、うるさくないのに遠くまでまっすぐ届くという点で、既存機とはっきり違います。すでに他社の12インチを持っている人にこそ、一度デモで聴き比べてほしい。違いは聴けばわかります。

ホールでのライブ。ステージ左右に「20S-CX」、ウーハーに「MB112カスタム」、足元に「20WS」

この音は、箱への執念から生まれています。

もう少し、このスピーカーの「中身」の話をさせてください。さきほど触れたように、私はマールさんとは20年以上の付き合いで、初期の開発段階からずっと近くで見てきました。だから、この魅力的な音が何に由来するかも、よく理解しています。

最もすごいと感じるのは、木製エンクロージャーへの執念です。振動の周波数が異なるバーチ材と、重質量の木質系合板。性格の違う木をハイブリッドで組み合わせて、響きの最適解をひたすら追い込んでいく。正直、ある意味で「変態的」だと思うくらいのこだわりようです。ここまでやるメーカーは、ほかにそうないでしょう。採算や手間を考えれば、普通は手を出せない領域です。それを長い時間をかけて、何度も細部まで改良を重ねながらやってきました。私自身、横で見ていて、口を出したことも何度もあります。

これは、インディペンデントなメーカーだからこそだと思います。いまも、音質と使い勝手を少しでも上げようと、マールさんは実験を繰り返しています。完成ではなく、まだ進化の途中。私はそう見ています。

音の違いが分かる人に、一度ぜひ聴いてほしい。

ひとつ正直に言っておくと、マールスピーカーの音は、ともすれば「地味」に聴こえる可能性があります。派手な音に慣れた耳には、最初は物足りなく感じるかもしれません。プロやプロに近い人にはとても響くけれど、インパクト重視で選ぶ人には向かない。そういう性格のスピーカーだと思います。

だからこそ、スピーカーは実際に聴いて選ぶべきです。音を聴かずに買う人はまずいません。まず、デモ機をレンタルしてみて、手持ちの機材と同条件で並べて鳴らしてみてください。私の周りでも、県外のPA現場で「最近マールを使っている」という声を聞くことが増えました。音の違いがわかる人から広がっている、という実感があります。

最後に繰り返します。音の違いがわかる人には、強く推奨できるスピーカーです。